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Archive for the ‘Veterinary Medicine’ Category

遺伝性疾患の誤解

2014/02/13 コメントは受け付けていません

おかげさまで、ちらほらお問い合わせをいただいておりますが、
ちょっと気になるご質問が続きましたので、ちょっと書かせていただきますっ。

【遺伝子検査】

現在遺伝子検査で分かるものは、トイプードルではprcdと言われる変異体のPRAだけです。
このPRAは他の変異体によっても発症することがあります。

ですので、prcdしか分かっていない(判定出来ていない)というのを基本にしていただきたく
思います。つまり、ノーマル判定であっても発症するリスクは昔と変わらないよーということです。

【進行性網膜委縮症】

PRAは遺伝子検査でノーマル/クリアと判定されても、他の遺伝子変異があれば発症する
可能性があります。

つまり、一般的に検査されているものはprcdと言われる変異体だけです。他の遺伝子変異の
保証は全くないのです。たとえば、他の犬種で分かっているPRAの変異体がトイプードルでも
持っている可能性があり、それらに関しての遺伝子検査は現在は出来ないということをご理解
ください。要するに、発症する可能性も十分にありうるということです。

ですので、prcd-PRAはノーマルだけど、それ以外の変異体は不明です。なので、PRAは絶対に
発症しないとは言えない
ということです。ノーマルの子だけで繁殖しているというのもある種、危険
なことであると言っても過言ではありません。他の変異体の発症を誘発している可能性もあるから
です。だからこそ、ほとんどが分かっていない分野なので、親や祖父母、それ以降の状態を把握
するのが一番重要なのです。

よく、「ノーマルなので絶対に大丈夫です」という宣伝文句があるようですが、それならば、
発症しないということで、全面的に保証してくれるではないでしょうか(笑)

たった一つの変異体だけが判定対象で、それ以外は対象外であるというのをご理解ください。

【遺伝子検査は目安である】

遺伝病を発症させないことが我々ブリーダーの究極の目標であるのは当然です。
しかしながら、これを優先すればあちらが発症する可能性があるし、かといって、こちらを立てれば…。

つまり、遺伝子検査が絶対的なものではないということです。

あくまでも目安なのです。

極論ですが、ある牝犬がprcdがアフェクテッドだったけど、その他の遺伝的疾患は見られない。
代々遡ってもprcdだけだったとします。

スタンダードに則った後世に残すべき優秀な個体であると仮定した場合、どう考えますか?

逆にprcdがノーマルだったけど、代々遡ると致死性の高い遺伝性疾患で亡くなっている又は
発症している個体が見られる場合はどうするべきでしょう?

prcdの結果だけを優先するべきでしょうか?

遺伝性疾患を回避するのは容易なことではありません。目だけが遺伝性疾患ではないのです。
もちろん、分かっていることに関して回避する必要性は十分にありますが、それに固執すること
は非常に危険な行為であるというのがお分かりかと思います。

prcdは一つの目安であり、他の遺伝的要因を考慮して、それ以外の要因を十分精査して繁殖するのが
ブリーダーの役目なのです。

ですので、遺伝子検査をしたから全てが健全であると思われるのは危険なことなのです。

「今まで健康な犬しかいない」と言っている所だったら、生涯に渡り保証してくれるのでは
ないでしょうか(大笑)

うちですか?

出る可能性があると思います。ですので、生涯に渡り保証は出来ませんが(苦笑)
情報提供は必ずしていただきたいなーと思います。

逆切れしませんので(大爆)

【膝蓋骨脱臼】

こちらも少々誤解があるようです。

両親に発症していなければ、子犬は絶対に大丈夫といっている所があるようですが、
確立としては非常に微妙です。

最低5代祖は発症していないという証明があれば、別ですが、両親だけの情報では発症する
可能性は十分にあります。ブリーダー側の情報網と質の問題になるかと思います。

また、膝蓋骨脱臼(パテラ)に関しては、確定的な診断が必要な場合は、生後2歳以上
の子をおススメ致します。1歳未満、ましてや生後2~3か月の子は、絶対評価はありえません。

パテラや股関節に関するものであれば、PennHipやOFA、国内ではJAHDでの第3者機関での
評価が一番重要かと思います。遺伝子検査は現在、出来ませんので上記の評価がベースと
なります。

つまり、子犬時代はあくまでも獣医師の触診のみが頼りであり、確定的なものではないということを
ご理解ください。そのため、かなり綿密に膝に関しては診察していただいている状況ですが、どうしても
ノーマルの子が良いという場合は、生後1~2歳以上の子をご指定ください。子犬でのご購入はおススメ
出来ないということになります。

何を重要視するか、買う側が漠然とした「健康である」の内訳を明確にして、これなら妥協出来る
というものをお伝えください。

100%の健康な子犬はいません。

100%を求めるのであれば、自信あり気に語っている所から迎えてください。
生涯に渡り、全てを保証するハズですよ?

うちは、自信ないので保証はしませんが研究はします。

カテゴリー:Veterinary Medicine

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で思ったこと

2013/02/14 コメントは受け付けていません

つい最近、ダニによる新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群」が日本でも発症報告があり、
怖いな~って思いますが、犬や猫などを飼われている人たちが真っ先に思ったことがあるのでは
ないでしょうか?

ペットも感染するんだろうか?

犬や猫などを飼われている人たちからすると、日頃からのダニ対策というものをしている人が
昔から比べると多いとは思うので、通常通りの対策で良いかと思うのですが、しかし心配ですよね。

なので、ちょっと厚生労働省のサイトをのぞいてみました。
どんな病気なのかちょっと頭に入れておきたかったので、下記のPDFを見てみました。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」(厚生労働省:PDF)

これは人間用なので、犬や猫などのペットも同じだとは限りませんので、あくまでも参考程度に…。

さて、この文書の発生状況にある一文で、
ウイルスに感染した哺乳動物も見つかっている(動物の発症は確認されていない)。
とあります。

この哺乳動物が非常に気になったので、調べてみました。

厚生労働省検疫所ホームページ内の最新ニュース
中国における新たなブニヤウイルスの人への感染に関するリスクアセスメント (抜粋)

これを読むと、特定の哺乳動物の記載はありませんが、中国山東省での研究で134頭の山羊のうち
83%でSFTSウイルスに対する抗体がみられたと記載しています。

実際に感染した哺乳動物は分かりませんでしたが、おそらくそこら辺中の哺乳動物には
(山羊も然り、牛、馬、鳥、ネズミ云々…)持っている可能性があるんだろうな~って気がします。

さて、日本ではどうなんでしょうか?もちろん、ダニに咬まれている哺乳動物はた~くさんいると
思いますが、実際の感染となると発症例がない訳ですから、これまた何とも言えない。

ただ、新しく発見されたものですので、今後の研究や詳細の情報を見て判断していく必要は
あると思いますが、人から人への感染例もあるようですので、動物から人へも十分に考えて予防
するために、ダニに咬まれている可能性のある動物との接触は要注意ですね。

ペットの場合は、従来通りにダニ対策していくことが必要かと…。

昔からあったのか、それとも突然変異とかなのか分かりませんけど、何だか住みにくい世の中に
なってきたな~って思うのは私だけでしょうか?

ペットたちが薬漬けになるのって抵抗がものすごくあるんですが、こういう状況を考えると、
頼らざるを得ないのがもどかしいというか何というか…。

仕方ないのかしら…。守ってあげられるのは、私たち人間だけですものね。
発症例がないといっても、分からないのですから必要最低限の防御はしてあげなくてはですね。

SFTSに関するQ&A
※これは人向けのQ&Aになります。

これから春に向けて、人も動物も対策出来ることから初めていきましょう。

カテゴリー:Veterinary Medicine

犬の精神疾患

2012/12/02 コメントは受け付けていません

Yahooニュースでこのような記事を見つけた。

近年目立つ犬の精神疾患 人間よりもセンシティブな証拠〈AERA〉

ここ数年、精神疾患で動物病院の世話になる子が増加しているというのだ。

一昔前は室外で飼われていることが多く、室内で人と緊密に生活するような環境ではなかった
のは確か。そういう飼育環境の変化なども十分、この病気が増加してしまった要因の一つと
考えられるそうです。

「dog actually」犬の常同障害についての記事です。
犬の常同障害と環境要因との関連性:dog actually

なかなかこのような精神疾患に関しての原因究明って、人とは違うのでなかなか難しい面は
すっごくあると思うんですが、Yahooニュースでもあるように犬は人よりも鬱になりやすいとあります。
これらの記事を読んで、改めて愛犬との接し方など考えてみると良いかもしれませんね。

犬と人との関わりってすごく緊密な分、飼い主がきちんと異変に気づいてあげることが大事ですし、
人間も犬との関係をもう一度見直して見ることもこの病気を回避する最大の方法ではないかと
ちょっと思いました。

んー、うちのワンズたちとの関係、一度見直して見るかな?

ストルバイト結晶・その後

2012/08/26 コメントは受け付けていません

いちごの他に怜ちゃんも少量の結晶が発見された。

そういうわけで、現在はロビーズとルーアスの取扱を完全に止め、
アガリスク(3~4割)+馬生肉+サプリメントで様子を見ています。

そして、今日気付いたんだけど(今さらですが)クランベリーが
原材料内に記載されていたんですよね、アガリスクに…。

入ってたんだ…。

明日、時間があったら営業の人に聞いてみようとは思うが、
どれぐらいの含有量なのか、特にいちごは多量に結晶が見つかった
ので、溶かしていかなくてはならないので、サプリメントと併用で
大丈夫かどうかをまずは確認。

給水器とお皿の両方から水を摂取出来るようにし、特にいちごは
今、発情期に入ったので、マーキングがてら頻尿のおかげで、尿の
色が濃い黄色→黄色に変化。

サプリメントを与えてからまだ3日目なので、これの効果ではない
とは思うけど、馬生肉をメインにしているので、結構、そういう
関係なのかな~とも思ったり。

pHチェッカーは昨日から使用しているけど、今日現在の平均は
弱酸性~中性。怜ちゃんも同じ。昨日までは中性~アルカリ性が
強かった。

pHチェッカーは目安なので、実際に結晶の量がどうなのかは分かりません
が、水分量と食事の関係ってあるんだろうな~って思います。

というのも、ロビーズだけのショッピーのpHが8.0だったのです。
これは改善しなくてはならない。アルカリ性に傾きやすいフードなのかも
しれない。ふやかすから良いとは思ったけど、実際、平均値を求めて尿検査を
してみないと何とも言えないが、少なくとも、明日よりフードを止めることに
する(うちの場合、多分、相当やばいことになっていそうだ)

確かにアガリスクしか食べないかおるこは平均pH6.4ぐらい(2日間だけど)
クレアも同じくそれしか食べないので、平均pH6.0(2日間の平均値)
天ちゃんもクレアと同じくらいなので、ドライが良いのか、製品による効能かは不明。
ショッピーはロビーズだけなので、水分はいちごと同じくあまり摂取しません。
なっつもロビーズのみなので、明日以降、調査開始です。

今後はいちごと同様に給水器も止めて、お皿から水を飲むようにしてもらい、
食事もいちごや怜ちゃんと同メニューに変更するようにして、変化を観察
してみたいと思います。

※個体差がありますので、全てがそうだとは言い切れません。
あくまでも当ケネルでの実際の様子です。まだまだ調査が必要です。

一時、アガリスクは中断していたけど、今回の件でメインフードは
アガリスクに変更し、ローテーション用の別フードをお試ししています。

ロビーズやルーアスの長期間同じフードのみはちょっと考えものかもしれない。
尿疾患に特に問題ない子は良いとは思いますが、pHチェックや尿検査は必須かも
しれないですね。

ま、うちは今回の件でまた新たにフードジプシー再開です(大笑)。
他に変えたからと言って、どうなるわけではないですが、頭数が多いので、
極力リスクは避けたいんですよね~。まだ、尿検査が終わってない子もいるので、
ちょっとドキドキですが…。

とにかく、ローテーションの間隔と内容をよく吟味して、ストルバイトから
早く解放されたいものだ…。

カテゴリー:Veterinary Medicine

ストルバイト結晶

2012/08/18 コメントは受け付けていません

りんごの事があり、我が家のワンズはそれぞれ順次、健康診断やその他もろもろ
しています。

そして、にーながとある病気の疑いがあると診断され、今度はいちごが
「ストルバイト結晶」いわゆる膀胱炎の一歩手前、放置すれば「尿結石」って
やつです。

これ、諸説原因があるようです。

  • 体質
  • 食事
  • 細菌
  • 水分不足
  • 運動不足

「体質」
なりやすい体質と遺伝的体質とあるようです。いちごの場合は厳密に調べて
いませんが、体質と言われてしまうと、何でもそうなんでは?とも思ってしまう
今日この頃でもあります。

「食事」
結構、要因としては大きいようです。カルシウム、リン、マグネシウムの過剰摂取
だったり、健康志向で野菜類がやたらと中心になってしまったり…。
肉類を中心とした食事を心掛け、酸性尿にすることで生成されないようにちょっとしてみよ。

後は、クランベリー(加糖クランベリーは不可)なんかも効果があるようですね。

「細菌」
清潔に保つ。これに限るかしら…。しかし、いちごの場合は細菌性ではないよう
なのですが、一応、要注意。

「水分不足」
あんまり水分を摂取しない、いちごさん。なので、現在は武蔵ママさんから教わった
スペシャルドリンクを与えるようにしています。

「運動不足」
埼玉の熊谷近郊はとぉ~っても暑いので、ほとんど運動などは出来ません(苦笑)
運動不足、十分にあり得る原因の一つ。

※まとめ
とにかく、処方食だけは避けたいので、水分をよく採るようにさせて、
食事はもっぱらドライと手作り(肉類中心)をしてます。これで、ある程度改善
出来たなら、ストルバイトは繰り返すようなので、このペース維持かしら。

運動不足解消は…秋になるまでは、休日利用して地方のドッグランに遠征するか(笑)。

でも、まさかいちごがストルバイト結晶が出るとは思わなかったな~(涙)。

また、このストルバイト結晶についてレポート出来たらな~って思います。

カテゴリー:Veterinary Medicine

パテラ(膝蓋骨脱臼)に関すること。

2011/07/29 コメントは受け付けていません

だるい、いちご。

だるい、いちごさん。

昨日より発情が始まりました。女性特有のこのかったるさ…。いつもの元気はどこへやら。だるいんで、寝てることが多いお姫様。8月上旬に交配予定のいちごさん。本家サイトにも地味に告知しましたけど、お相手はなっつ。いちごさん、初めてのお産になる(可能性がある)ので、予測はなんとも言い難いのですが構成とパテラ重視で決めました。

最近、パテラに関することでいろいろとご質問もいただくので、今回の例をあげてお話したいと思います。

今回の組み合わせを決めた理由は、まず、うちはパテラ撲滅が絶対的理想としていて、どうしても回避したい遺伝性疾患の代表格なんですね。しかし、パテラってのはやっかいなもので、隔世遺伝をし尚且つ複合遺伝子であり、どういう状況で発生するか明確にされていない病気なんです。だから、挑みたい…ってのもあるんですが。簡単に遺伝子検査で分かるPRAばっかりを強調しても、何のことはない、アピールするものがない輩の宣伝文句で一般の方には何がなんだか分からないってのが9割ですからね。だからあえて、自分は明確になっていないものに挑戦したいってのがコンセプトなんで…。

しかし、あっちゃらこっちゃらパテラだらけなんで小型犬はしょうがないという世論が多いのですが、それはちょっと違うと思うんですね。

しょうがないと思ったら悪徳ブリーダーというかそういう今問題になっている人たちの格好の餌食で、しょうがないと思ってはいけないと私は思うんですよ。

確かにパテラを回避するのは容易ではないですし、正直、この世にパテラの遺伝子を持っていない犬は存在しないと明言出来ます(発症している、しないは別としてね)。
じゃあ、お前んとこはどうなんだ?って話ですが、完璧じゃないですよ。パテラの子います。逆に全くいないって言っているほうがおかしいと思うんですよ。隔世遺伝しますからね。本犬だけは大丈夫ってことにはならないです。そう言っている輩は勉強不足ってことで、スルーすればいいかと思いますね。

でもちゃんと研究し努力すればある程度は回避出来ると思っているんです。しかし、相当の努力は必要ですけどね。論文なんか読みあさったりと結構、遺伝子学とか繁殖学・物理的なものから結構勉強することが多いので、時折挫折しそうになりますけど…。

ということで、何を基準に子犬を選んだらいいか…。(一番多い質問です)

答えは簡単。

直接ブリーダーに問いかけちゃえばいいのです。

嫌がったり、怒りだしたら買わなきゃいい。うちは絶対大丈夫っていうのは、どうせ素人だから分からないだろうという自信から。血統が良いとか全く見当違いの答えを言ったら、はぐらかしている証拠。

パテラを重視するのであれば、突っ込んで聞いて曖昧だったら止めればいいのです。何代まで把握しているか?それについて説明できるか?そこまで言って説明出来て初めてパテラをこの犬舎は重視しているかどうか判断出来るかと思うのです。安易にうちは両親大丈夫ですっって言っている所はまずアウト。お試しあれ。ただ、その犬舎が別の遺伝性疾患を重視していたら、パテラの話しても寝耳に水ですが(汗)。そこは事前に確認することをオススメします。ですので、別の疾患について気になるのであれば、今のパターンで聞いていけばいいのです。うちはパテラ専門。他は極力回避。パテラ以外は専門ではないです。これは断言します。

全ての疾患に関して行うのは不可能だからです。逆にやってますっていうところがあるんなら紹介してもらいたいですね。そんな貴重な犬舎から産まれた子、欲しいですね。

専門的にある疾患を撲滅したいと思っている犬舎ならば、きちんと研究努力しています。

今はインターネット時代であり、下手な書籍を読みあさるよりよっぽど情報が手に入ります。その学んだ知識をブリーダーに投げかけて、どれだけ真剣に行っているかを判断すればいいのです。場合によっては熱く討論になるかもしれません。でも、曖昧よりかはいいのではないでしょうか?納得して家族に迎える。すごくいいことだと私はそう思います。

犬のアレルギー(花粉症)について調べてみた。

2011/02/06 コメントは受け付けていません

私自身が花粉症であり、犬にはないってお話しましたが、実はあるそうで(汗)ちょっとそんなことからいろいろと調べてみました。

2月から春先まで人間はスギやヒノキなどの花粉にしばらく苦しむ時期となるが、ワンコたちには花粉症というのがないというのが一般的だったが、昨今では犬の花粉症が増えてきているそうだ。犬は人ほど花粉に対してアレルギー反応を示すことはないといわれているが、これは人間が花粉に対してアレルギーを起こす反応が犬には見られないというだけで、別の症状として表れるそうです。

では犬たちは何に対してアレルギー反応を示し、どのような症状なのだろうか?

【犬のアレルギーの要因】

人間ではスギ・ヒノキ・ブタクサなど木や草などの花粉で、目や鼻などにアレルギー反応を示します。犬たちは木の花粉ではなく、草の花粉(ブタクサやイネ科の草本花粉)などでアレルギー反応を起こすそうです。まれに木の花粉(スギやカシなど)でも原因となることがあるそうです。ですので、人間とは若干時期が異なります。5月から10月ぐらいまでがこの草の花粉症の時期となるのだそうです。

また、人間と犬とではある細胞の分布の違いにより、それぞれの症状が違うのだそうです。その細胞とは「肥満細胞:ひまんさいぼう」といわれるものです。好塩基性の顆粒(かりゅう)をもつ卵円形の細胞で、アレルギーを引き起こす物質を生産し、皮膚や血管周囲や粘膜周辺に広く分布しているものです。

人間はこの肥満細胞が眼や鼻に多く分布しているため、花粉症としての症状が現れやすいのです。対して犬の場合はこの細胞のほとんどが皮膚に多く分布しているのです。

【犬の花粉症の症状】

肥満細胞が皮膚に多く分布しているということは、犬の花粉症の症状として、体の痒みが上げられます。まれにアレルギー反応が消化管などに起こる場合もあるそうですが、大抵は皮膚の掻痒(そうよう)がほとんどと言われています。ですので、鼻水・鼻づまりなど人間特有の花粉症の症状とは異なります。また、目の痒みはその目の周辺の皮膚に肥満細胞があるので、目の中に花粉が侵入したから痒いのではないということです。

【犬の花粉症の予防】

まずお散歩を控える…とは言ってもお散歩が大好きな子がほとんどでしょう。ですので、帰宅後のケアが大事となってきます。

  • 体に付着している花粉を取り除く。
  • 洋服を着させることが出来る子ならば、洋服などを着させてなるべく花粉が着かないようにする。
  • シャンプーの回数を増やし、常に清潔を保っておく。

ほとんど人間の花粉症対策と対して変わらないですが、とにかく花粉をいつまでも付着させないというのが原則になります。

【昨今の犬の生活の変化によるさまざまなアレルギーの増加】

一昔前とは比べ物にならないほど、犬たちの生活環境は変化しました。

昔からアレルギー体質のワンコはいましたが、今ほど顕著ではなかったような気がします。やはり、人間の生活環境も劇的な変化があり、それに伴い人間とともに一緒に暮らす犬たちも恩恵を受ける反面、このような現代病とも言えるアレルギーが増加した要因と言っても過言ではない気がします。また、純血種や無意味な雑種(世の中ではミックス犬と称される)の交配などにより遺伝的にアレルギー要素が強調され、アレルギーを発症しやすい個体にしてしまった人為的な要素もあったりします。さまざまな要因により、現代社会に生きる人や犬たち、動物たちはこの一種現代病ともいえるアレルギー問題に苦慮しています。

また食物アレルギーや昆虫アレルギー(ノミなどの唾液)薬剤アレルギーと言われるものまであります。

【診断と治療】

アレルギーかと思ったら一度獣医師に相談し、何が原因となりアレルギーが発症しているのか、花粉なのか食物なのかノミなのか金属なのかどうかを一つ一つ丹念に検証し、取り除いていく方法しかないようです。普段から犬たちの様子を見て、これは獣医師でもなく飼い主本人しか読み取ってあげることが出来ません。どの場合にアレルギー反応を示すのか、ある程度目途がついたら検査をします。

一口にアレルギー検査と言っても、かなりの項目があり、コストもそれなりにかかります。ある程度目途を付けて、獣医師と相談し、ターゲットを絞って検査をし、それが要因ならばそれを排除することに努める…これがアレルギー対策・治療の第一歩ではないでしょうか。

昨今では投薬により症状を抑えたり、またプロスタグランジンの合成に影響を及ぼすとされ、脂肪細胞が破裂する衝撃を抑制することが出来るとして、高濃度の必須脂肪酸補充剤など勧めたりするそうです。

人間も厄介なアレルギーですが、犬たちにとっても不快極まりない症状の一つであり、助けてあげられるのは飼い主しかいないのです。少しでも愛犬の様子がおかしいと思ったら、獣医師に相談し、原因を取り除いてあげて下さい。

カテゴリー:Veterinary Medicine
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