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プードルの毛色と性格の関係ー後編ー

2010/09/18 コメントする

トイプードルの毛色と性格の関係

よくカラーによってそれぞれの個体の性格の違いがあると言われている。
もちろん生活環境などで大きく異なるが、ベースとなる性格は変わらない。
あくまでも、個人的見解ということをご理解の上、読み物としてご覧になって
いただきたい。ちなみにここで言う性格は、カラーの持つ独特の性格を指して
おり、個体の育った環境などは考慮に入っていません。

トイプードル元来の性質

トイプードルは元々が明るい性格で、活動的な運動能力の高い犬である。
なによりも頭の回転がよく、物覚えも非常に良い。その反面、頭が良い分、
上手くコントロールしないと、手のつけられない子になってしまうことも
考えられる。

各種カラーによる性格の違い

元来の性質もそうだが、各種カラーによってトイプードルは微妙に性格が
異なっていると思われる。ただ、全てのブリーダーや研究者がこれを認めて
いるとは限らないのだが、私自身の個人的見解として、やはり毛色による
性格の違いはあるのではないのだろうかと思っている。一部の研究者によ
ると毛色と性格の関係はメラニン色素の化学組成が脳内の伝達物質に似通って
いるとされている所から起因する。ただ、先にも述べたとおり、生活環境や
個体本来の血統や大きさなど様々な要因が挙げられるので、正確な所は不明だ。

【ブラック】

ブラックはトイプードルの全カラーの中で一番性格が安定しており、頭が
良いとされている。また、運動能力は他のカラーから比較すると一番ある
ように思われる。また、服従心も他のカラーよりは非常に高く、しつけや
訓練など比較的入りやすいカラーではないかと思われる。人見知りをあまり
しないのも特徴で遊び好きな傾向ではないかと思われる。

【ホワイト】

ブラック同様に性格が安定しており、他の犬とも友好的に振る舞えるカラー
だと言える。運動能力はブラック程活発な印象はないが、服従心などはブラック
とさほど変わらない。ただ、比較的飼い主に甘える度合いが強い傾向がみられる。
そういう点から自己主張が意外と強いカラーではないかと思える。

【シルバー】

中間色ということで、はっきりと性格が二分する傾向にある。温厚な性格で
人や他の犬たちの調和を重視するタイプもいれば、その間逆のタイプが存在する。
ただ、飼い主にはかなり従順な子が多い傾向だ。しつけや訓練などは、少し手こずる
傾向があるように思われる。

【ブラウン】

運動能力は比較的高く、活動的な印象のあるカラーである。ただ、周りとの調和
を好まず、単独で物事を進める傾向が多いように感じられる。訓練などはブラック
やホワイトから比べるとやや劣るところはあるが、自立心の強い割には飼い主に
甘える傾向があるように思われる。猫のようというのは語弊があるかもしれないが、
付かず離れずと一定の距離を保って生活しているように感じる所がある。

【レッド・アプリコット】

このカラーは出現よりまだ歴史が浅く、カラーとしての性格はまだ安定していない
と思われる。また、昨今の乱繁殖の結果によりプードルらしさを欠けてしまった子
が多いのは悲しい限りだ。ただ、一部のプロのブリーダーたちにより本来のプードル
らしさを求め、レッド・アプリコットの良さを考えた繁殖をされている。

このカラーはシルバーと同じように中間色となるため、歴史と合わせても安定はして
いない。服従心もどちらかというと元来のカラーのプードルたちより低い傾向にある。
また、協調性も低い傾向にあり、知らない人や他の犬たちにはどちらかというと、
友好的とは言い難い所が見られる。ただ、飼い主への要求度は他のカラーより強く、
自己主張がかなり強いカラーと言える。そういう点からしつけなどは根気のいる
カラーだと言っても過言ではない。


代表的なカラーの本来の性質をご紹介した。
ただ、先にも述べたとおり生活環境などで大きく異なることがあるので、その点は
了承していただきたい。

私自身、ブリーダー・トリマーをしていて感じたことは、ブラックはどちらかと
いうと物陰から飼い主をじーっと見つめている、ちょっと甘えたいけどどうしよう
かな?と伺う仕草があり、ホワイトはその点、私が一番って所が非常に強く、要求度
がとてつもなく高い気がする。その点、ブラウンやシルバー、レッドなどは一定の
距離を保ち、気が付くと傍にいる…と言った感じだ。いずれも中間色はマイペース
型で、適度に動物との生活にメリハリを付けたい方には最適なカラーではないだろ
うか。ブラックは、一緒に何かを楽しみたい方などに向いている気がする。

ブラック専門のブリーダーの私がいうのも何だが、そういう点ではブラックが一番
優れていて、アウトドアやフリスビーやアジリティには一番向いている性格だと
言える。飼い主と一体となって遊んでくれる、一番親しみやすい性格だと思って
いる。他のカラーよりはお子様などと一緒になって遊んでくれる友好的な性格では
ないかと自負している。

ホワイトは私の経験上だが、甘え度が非常に高い印象があるので、常に一緒にいたい
と思う場合に適しているのではないだろうか。非常に従順な性格だと思うので、
運動系よりは、ほっこり♪と飼い主とドッグカフェでまったりというイメージがある。
協調性には欠けるような印象があり、うまくコントロールしないといじけ易いような
印象がある。

トイグループに分類されるプードルでは、その名の通りのトイ(愛玩犬)
といった所だろう。チワワやマルチーズといった所と似通っている印象がある。元々
アメリカタイプはマルチーズやビションなどを交雑して出来たものであるから、日本
ではアメリカタイプのトイプードル(ホワイトなど)が多いので、その印象があるの
かもしれない。

その点日本では、ブラックはアメリカタイプと英国タイプと分かれており、アメリカ
タイプは前述の通りの傾向があるかもしれないが、英国タイプは天真爛漫なタイプが
多く、スタンダード・ミニチュアと歴史を辿り、交雑した要素が少なからずともない
のが影響しているのだろう。

ここで、カラー本来ではなく生活環境が影響してくる所以だ。カラーとしての気質を
踏まえつつ、アメリカタイプが良いのか英国タイプが良いのかでまた変わってくる。
そして、そのブリーダーたちがどのように選択繁殖をし、どのような環境で育ててい
るかで大きく性格は変わってくるのだ。犬の見た目や流行りではなく、いかに自分
の生活環境に合うかどうかを見極めて、パートナーとして迎える必要があるのでは
ないだろうか。

いろいろと好き勝手なことを述べてきたが、あくまでも個人的見解なのでその点は
ご了承願いたいが、これを見た方が、トイプードルが流行っているからとかこの
カラーがとかサイズがとかいうのではなく、犬質・気質を見極めて子犬選びの参考
になって頂けたら幸いである。

自分の生活スタイルにあったタイプを選ぶことが、人や犬たちにとって一番の幸せなのである。

カテゴリー:毛色遺伝

プードルの毛色遺伝と性格の関係-前編-

2010/07/25 コメントする

【はじめに】

プードル(トイ・ミニチュア・ミディアム・スタンダード)はソリッドカラー(一色毛)が望ましく、他の色が混ざることは許されていないが、これはあくまでもドッグショーや繁殖する上でのルールである。最近では稀少カラーとして2色以上のカラーが混ざっているプードルを見かけるが、稀少でもなんでもない。乱繁殖の賜物であり、犬には罪はないが人間には罪があるのだと思っていてもらいたい。そして、プードルはブラック・ホワイト・ブラウン・シルバー・レッド・アプリコット・カフェオレ・ブルー・グレー・シルバーベージュ・クリームなどがあり、バラエティーに富んだ毛色が存在する。

まずは、毛色の遺伝子のメカニズムを雑記し、以前取り組んでいた毛色と性格(性質)についての関係を記してみたいと思っている。毛色遺伝は調べれば調べるほどハマっていく分野の一つで、ブラック専門で繁殖している私としては、どうすれば理想とするジェットブラックを安定的に作出出来るかを考え、性質ではなぜ、それが作用してしまうのかと遺伝子情報の面白さと複雑さを交えながら雑記していきたいと思っています。

【プードルの毛色遺伝子】

【遺伝子情報】
人間の染色体は46本、XYで云々…と学生時代にならった記憶があるのではないでしょうか?
犬の染色体は78本あり、39対から成り立っている。38対は常染色体と呼ばれ残り1対は性染色体、つまり性別を決定する染色体である。
では常染色体とは性染色体以外のものであり、無数の遺伝子情報が詰め込まれており、毛質、毛色、骨格、性格etc…の遺伝子情報を両親から受け継がれるのです。その遺伝情報には病気に関する情報なども含まれており、これを解明することで人や犬や猫などの生物の謎が分かると言われているが、あまりにも無数な情報で現代社会においてもなかなか解明するまでに至っていない。

【毛色遺伝】

常染色体はアラビア数字やローマ数字で呼ばれており、犬の毛色などの遺伝シリーズは、A,B,C,D,E,G,M,S,R,T…とされています。現在は諸説により10種類から13種類と言われているそうです。

各遺伝シリーズ

  • A:As(セルフ)ay(レッド、タン)as(セーブル、ワイルドボア)at(タンポイント)
    これらは毛色のベースとなるシリーズです。As(セルフ)は濃い色素が全体に均一に行き渡る遺伝情報で、それ以外は部分的に色が混入するのかが決まる遺伝情報となります。
  • B:B(ブラック)b(チョコレート)
    ブラックやチョコレートを遺伝するシリーズとなります。Bは濃いメラニンを含む分子が黒として発色し、bbはブラウンとして発色します。
  • C:C(完全な色素形成、沈着)cch(色素減少、チンチラ褐色)
    色素の形成や減少などのメラニンの統合に関する遺伝シリーズです。
  • D:D(濃い色の色素形成、沈着)d(ブルー褐色)
    色素形成やブルー褐色を遺伝するシリーズです。はっきりとした発色をするDと青みがかった灰色(ブルー)を発色するddとなります。ddを持つ子は皮膚や目、鼻などが薄くなるのが特徴で、くすんだ感じの色合いとなります。カフェオレ系はこのddが作用したものと考えられています。
  • E:ebr(ブリンドル)E(ソリッドコートカラー)e(制限遺伝子又は劣性のレッド、イエロー)
    プードルではEは黒として発色させ、eeの場合はレッド系が現れることになります。
  • G:g(生涯グレーに変化していかない遺伝子)
    Gは加齢に伴う白髪化に影響する遺伝子とされ、ggの場合は加齢によっても毛色が変化しないとされる遺伝子。
  • M:M(ダップル)m(ソリッドカラー)
    ダックスやコリー、グレートデンの毛色を遺伝するシリーズです。
  • S:S(セルフ、全身に色素が見られる)Sp(パイポールド・ホワイト・スポット)
    全身の色素やパイポールドを遺伝するシリーズです。斑点の形成に関わる遺伝子となります。
  • T:T(ティッキング)t(ティッキングなし)
    ティッキングとは白地に黒など濃い毛色が集まり、小さく孤立した部分を形造るもののこと。

近年、優性の黒に関してプードルではKシリーズというのもが定義され、優性Kは黒を発色し劣性kkはA、Eで決められた色をそのまま発色されるとしています。
単色が多いのは通常プードルはKKがあると考えられているそうです。

【メンデルの法則】

その昔学生時代に習ったヤツである。そう、メンデルの法則=エンドウマメである。エンドウマメに背の高いものと低いものがあることに着目し、背の高い物のみを栽培し、その中でまたしわのあるものとないものとを分けていき…と優性の法則・分離の法則・独立の法則と発見に至ったのだったが、のちに一定の法則のみでしか成立しないとわかったわけだが、基本的な考え方としてはこれと同じ。

上記の各シリーズを是非いろんなパターンで配列してみると興味深いし、犬や猫などの毛色の発現パターンが分かって面白いかと思う。
ブリーディングも結局はこれと同じで、それぞれの個体の毛色のパターンを配列し、生まれ来る子犬がどのパターンとなるかを見ているのだ。これは毛色だけでなく、遺伝性疾患も同じで、その中で最良の組み合わせをしてプードル本来の美しさや健全性を最高な状態にもっていけるよう日夜研究している。

ちょっと学生時代に戻って、今一度メンデルの法則を思い出して実践してみてもらいたい。愛犬の意外な発見があるかもしれない。
後編はいつになるか分からないけど、近いうちに掲載したいと思ってます。

カテゴリー:毛色遺伝
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